潜入!ツーファイブ!〜「リアルタイム遠隔監修システム」体験レポート〜


こんにちは。広報のしまもりです。

昨年、CRI とグループ会社の関係になったツーファイブ社。先日ニュースリリースでも発表した「リアルタイム遠隔監修システム(いわゆるリモート立ち合い)」での収録がどのように行われているかが気になったので、ツーファイブのスタジオにお邪魔しました!

ツーファイブにはスタジオが2箇所ありますが、今回は一階の一人収録用スタジオをご紹介します。

■スタジオの設備や機材について

一人収録用ということもあり、ボイス収録に特化した機材選定、調音構造をしています。
まずはコントロールルームを見ていきましょう。

コントロールルームの様子

DAWは業界標準のPro Tools HD を使って録音しています。Avid 社のインターフェースを使っているので音質も優れており、録音時の遅れなども気にせず収録が行えます。

マイクプリアンプも質の良いものを使っており、マイクから入った音そのままの音を純粋に収録することができるのだそう。
スピーカーについては人により好みがありますが、このスタジオではボイス収録に特化した作りをしているため、高音域の音声でもキンキンすることなく、でもノイズを聞き逃す事もないものを選んでいるんだとか。

そしてこれはエンジニアさんのこだわりなのですが・・・
200Vの電源を100Vに電圧を変換する高品質なダウントランスを使い、安定した電圧でスタジオ全ての機材に繋げています。

次に、声優さんが演技を行う収録ブース内についても見ていきましょう。

収録ブースの様子

収録にご協力いただいた声優しろたのぞみ(@rotta_nozomi)さん

マイクはNEUMANN U87Aiを設置しており、映像確認用の大きいモニターが付いています。 浮き床構造の床に加え、壁面、天井部にも吸音を施しているため、音の反響などは全く感じられません。

また、こちらもスタジオを設計するときにこだわったポイントだそうなのですが、ブース内には換気口が付いており、24時間換気ができるのですが、ファンの音が全く入らないような構造になっています。換気についても問題ないとのことで、このご時世には大変有り難いですね!

■「リアルタイム遠隔監修システム」のデモンストレーション

遠隔収録にあたり、ツーファイブ所属のエンジニアの太田さん、音響監督の藤原さん、声優のしろたのぞみさんにご協力いただきました!
遠隔からの参加者として、CRI社から1名と、在宅勤務中のCRI社員2名が参加しています。

リモート参加者側からの様子

今回遠隔立ち合い収録用に使用したツールは、Zoom(会話用)とSource-Live(映像と音質確認用)の2つ。実際に収録を行う際はお客様側の環境や要望に合わせてツールを選定し、事前にテストをしてから本収録を行います。リモート環境に不安がある方でも、ぶっつけ本番にはならないのでご安心を!

では、実際のリモート立ち合い収録のデモンストレーションを見てみましょう。

収録の雰囲気が伝わったでしょうか?
CRI社員は収録立ち合いに慣れていないので私を含め皆緊張してしまいましたが、Source-Liveから聞こえる音声の音質はとても良かったそうです。

■「リアルタイム遠隔監修システム」におけるスタジオ側の対応について取締役の藤原さんに色々聞いてみました

ツーファイブ社取締役の藤原さん

ー新型コロナの影響もあり、他のスタジオさんも対策を講じているかと思うのですが、ツーファイブとして意識 して対策をやらなければと思ったのはいつ頃ですか?

対策を立てて、テストランを始めたのは 4 月の中旬くらいですかね。
2 月末頃に SNSで役者さんが「スタジオに入るのが不安だ」といった投稿が複数あり、スタジオとしてできることはなんだろうと考えていくところからスタートしました。
まず前提として、役者さんにはスタジオに来てもらわなきゃいけない。じゃあスタジオの稼働人数を減らしていかなくちゃいけない、と要件と仕様をつめていって、リサーチを行い、テスト的にスタジオを稼働し始めていきました。

ー「リアルタイム遠隔監修システム」を導入するにあたり、障壁はありましたか?

元々弊社ではSkypeで頻繁に会議をやっていたこともあったので、導入の障壁はあまり感じませんでしたね。ただネット会議システムだけだと声優さんの声を綺麗な音でお客様に届けるということに限界があります。そこを解決するために「Source-Live」をテスト的に導入しました。
Source-Liveはハリウッドのオーケストラレコーディングでも使われている技術なんですが、音質的な評価で外部のお客様にも非常に好評だったので正式に導入を決めました。

ーなるほど。リモート立ち合い収録における、ツーファイブとしての強みは他にもありますか?

皆さん、収録の立ち合いに求める要件が様々なんですね。ムービー合わせの収録ではタイミングをしっかり見たい、台詞が間違ってなければいいよ、と言う方もいれば芝居の感じだけ見たい、とにかく音質をチェックしたい、という感じで。お客様の要望に合わせて柔軟にやれるのが弊社提供システムの強みですかね。
おかげさまでリモート立ち合い収録に関する沢山の事例が集まってきていますので、どんなケースであってもお客様の要望に応えられる体制が整ってきています。

ーちなみに最大何名くらいでリモート立ち合い収録を行ったことがありますか?

現時点(5月末)での最大立ち合い人数は8名くらいです。全員別の場所から繋いでの収録でした。下手をすると実際にスタジオに来ていただくより多くの人数でできる可能性はあると思います。今後はこういうパターンが増えてくると思います。

ーそうなると、国内だけでなく海外からの収録依頼も受けやすいですよね。ウェブサイトが中国語にも対応していますが、実際に海外からのお客様からの御依頼があったりするんでしょうか?

そうですね。実際に中国の企業さんからの収録にも対応しています。やはり日本の声優さんを使いたいということで要望いただいていて、Wechat などでリアルタイムにコミュニケーションを取りながら、芝居を聞いていただいています。北米からの収録依頼もあり、その時は時差の関係で朝一に収録を行なっていますね。

ー最後に意気込みをお願いします!

将来的には役者の皆さんにもご自宅やプライベートスタジオでリモートで参加していただきつつ、声優さんにも クライアントさんにも全くストレスのない環境を実現していきたいです。
おそらく、今後はそういった意味で、収録素材の「復元」や「修復」というキーワードも大事になってくると思います。
また、先ほども言いましたが、今後はリモートでの立ち合いが主流になってくるんじゃないかなと感じていて、逆に言えば声優さんを起用したボイスの収録がもっと気軽に行えるようになれば良いなと思っています。

ツーファイブのスタジオがあるのは東京ですが、首都圏以外にもゲームメーカーさんは多数いらっしゃいますので、そういった方々にも気軽に収録を行っていただけるよう、手助けになれれば良いな、と。プレイヤーの方々とメーカーさんの橋渡しができれば嬉しいですね。

ーありがとうございました!

今回取り上げた「リアルタイム遠隔監修システム」に限らず、収録に関するご相談などはお気軽にツーファイブ社までお問い合わせください。


株式会社ツーファイブ https://twofive.co.jp/


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