ADX LEユーザーインタビュー Vol.6『Four Legs Chicken』編

こんにちは!研究開発部の日置です!
夏が終わって秋になってきた…と思ったらまだ暑いじゃないですか!やだー!けど日本酒が美味しいので許します!!

さて、今回の記事もSonicSYNCについて……ではありません!(期待していた方々、ゴメンナサイね!)
今回はなんとCRI ADX LEユーザーのインタビュー記事です!!
(前回の『モン娘ぐらでぃえーた』編はこちら!)

弊社CRI・ミドルウェアは同人・インディーズゲームクリエイター・学生向けに無償版サウンドミドルウェア「CRI ADX LE」を提供しています。
前々からご紹介しているSonicSYNCですが、実は最新のADX LEでも使うことが出来ちゃいます!
是非ADX LEを通して触ってみてください!

また、数年前から私日置が演習講師として、東京工科大学のゲーム制作に関する演習を受講している学生に対してADX LEの使い方などを教えています。
今回は、実際にそのゲーム制作の演習を受講している大学生チーム「げ〜みんぐからあげ」に所属しているサウンド担当者2名に、現在鋭意制作中のゲーム「Four Legs Chicken」のサウンドについて伺ってみました!

――軽く自己紹介をお願いします!ついでに最近ハマっている・好きなゲームも良ければ教えてください!

木下凌希さん(以下、木下さん):
東京工科大学メディア学部3年生の木下凌希(きのした りょうき)と申します。
音楽歴としてはギターを6年、DAWは5年くらいやっています。
最近は APEX Legends をひたすらやってます。よろしくお願いします!

富山沙帆さん(以下、富山さん):
東京工科大学メディア学部3年生の富山沙帆(とみやま さほ)です。
ピアノを小学生時代に2年、DAWは大学に入学してから始めたので2年くらいやっています。
好きなゲームは…ポケットモンスターシリーズで、ソードで孵化厳選やってます。(笑)

――「Four Legs Chicken」というゲームはどんなゲームですか?

木下さん:
ざっくり説明すると、「ニワトリになって街を破壊する3Dアクションゲーム」です!
ニワトリを出荷するトラックから脱走したニワトリが、仲間がフライドチキンにさせられて人間に食べられていることを知ってしまい、人間に対して復讐するというストーリーになっています。

木下さん:
街を破壊する爽快感や破壊する過程で面白おかしく進化するニワトリが見どころです!

※最終的にはこんな姿になってしまうらしい…どうしてこんなことに…

――サウンドに関するタスクの割り振りってどうしましたか?

木下さん:
サウンドのタスクは大きく分けて3つあり、アセット制作・CRI Atom Craftでの組み込み作業・Unityでの組み込み作業です。
この内、前者2つは僕も富山さんも行いました。
アセット制作だけにフォーカスすると、BGM・ニワトリ関連の音・環境音・建物の破壊音は僕が担当しました。

富山さん:
その他の細かいアセットについては私が担当しました。

木下さん:
Unityへの組み込みは僕が担当しています。
実はプログラミング自体そこまでちゃんとやったことが今までなく、今回は「Unityサウンド エキスパート養成講座」という本をベースに、マニュアルやSDKに同梱されたサンプルを参考にしつつ組み込みを進めました。

※Unityサウンド エキスパート養成講座はUnity Audioだけでなく、ADX LEの使い方も学べる本です!ADX LEの勉強にはうってつけです!

――「Four Legs Chicken」におけるサウンドで大事にしたことってなんですか?

木下さん:
ゲームとしては「街を破壊する」という行動がメインなので、「破壊の爽快感」を大事することを目指しました。
全体的な絵はコミカルなので、音も全体的にコミカルにまとめようと当初考えましたが、破壊の気持ちよさが得られないと思ったので破壊音だけはリアル寄りにまとめました。
逆にニワトリの動きなどはコミカルな音にして、このコミカルとリアルのギャップによってインパクト・爽快感を生み出せたかなと思います。

――ADX LEを触ってみた率直な感想をください!

木下さん:
ツールの見た目がDAWライクなので、わりととっつきやすかったです。
ただ、使い込んでいってもマニアックな機能にはちょっと気が付きづらくて、マニュアルやサンプルを眺めてて知ることがよくありました。

富山さん:
使い始めた頃は機能や見れる情報が多く戸惑いました。
ただ、使っているうちに自分が思っていたよりも複雑ではなく、できることや得られる情報がわかりやすかったので、使っていて楽しかったです。

――ADX LEを使っていて重宝した機能ってなんですか?

木下さん:
ゲーム中は破壊音がとにかくいっぱい鳴るので、キューリミットによる発音制限はよく使いました。
また、先程お話した通り自分はプログラミングがそこまで出来るわけではないので、なるたけCRI Atom Craft上のデータ設定で再生やパラメーター制御を行えるようにしました。
ニワトリの形態変化にはセレクターを使ったり、ポーズ処理やちょっとしたローカットにアクションを使ったり…。

富山さん:
私はAISACにはかなり助けられました。
破壊音のバリエーションを出すためにランダムAISACを使っています。

※AISACコントロール値はランダム化させることも可能です。

富山さん:
破壊音のキューは複数音かつ複数トラックで構成されていて、トラック毎にランダムAISACを設定しています。
当初はランダムキューを使っていましたが、どうしても音のバリエーションや厚みが足りなかったため、ランダムAISACに落ち着きました。

木下さん:
僕もAISACを色々使っていて、BGMの遷移や各種環境音のミックスバランスなどに使いました。
BGMの遷移については、形態の進化に合わせてトラックが切り替わるようになっています。
また、破壊音が他の音に埋もれないようにREACTでもAISACを活用しています。
ボリュームを下げるだけでは足りないので、ローカットを出来るようにAISACと連動させています。

※REACTの変化パラメーターの対象をAISACコントロール値に設定することで、特定のAISACを操作可能です。

富山さん:
実は3DポジショニングでもAISACを使っていて、距離減衰AISACと方位角AISACを使用してボリュームやハイパス、リバーブ用バスへのセンド量などを変えるようにしています。

木下さん:
3Dポジショニング絡みの話だと、フォーカスポイントを使っています。
ニワトリの形態によってカメラとの距離がかなり変わるので、形態毎に距離センサーと方位センサーの位置を設定してビジュアルとの解離が無いようにしています。

――今後の展開について、何かあれば教えて下さい!

木下さん:
東京工科大学の講義の一環ではありますが、TOKYO GAME SHOW 2021にて出展予定です。
また、ゲームクリエイター甲子園2021というコンテストにも応募しています。
作品ページからは、実際に開発途中のゲームをダウンロードして遊ぶことができます。
応援よろしくお願いします!

木下さん:
その他、 iOS/Android 向けにリリースしようと現在考えています。
色々と処理負荷などで課題はありますが…頑張ります!
また、Twitterでも情報発信を行っているので、気になる方は是非フォローお願いします!

※直近デジゲー博にも出展が決まったとのことでしたので、気になった方は是非デジゲー博に足を運んで開発陣とコンタクトをとってみてはいかがでしょうか?

――最後に一言、よろしくお願いします!

木下さん:
ADX LEの機能をふんだんに使って自分たちならではのサウンドデザインをしてみました!
是非ニワトリを最後まで進化させて遊んでもらえればと思います!

富山さん:
街が壊れる音以外にも足音などの細かい音も付いているので、そういうところにも耳を傾けてプレイしていただけると嬉しいです。

――ありがとうございました!!!

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