【Project Acoustics 連載記事:第1回】空間音響のためのキラーエンジンProject Acousticsに触れる!!

はじめまして。
新人の長谷川です。

入社して数か月、通勤にも慣れた今日この頃です。

さて、突然ですが、Unreal Engine / Unityを使えば高品質な3Dモデルのアセットが無料で使える時代になりました。
誰でも簡単にリアルな世界を作れるって夢が広がりますよね。

それに対して音って難しくないですか?
「こっちの方向からこもって聞こえるから隣の部屋で鳴っている」
「この部屋は開けていて反響しづらい」
これをやりたいなーと思っても細かな設定が必要で面倒です。

そんな悩みを解決してくれる「Project Acoustics」をご存じでしょうか。
実は自分も今の部署に配属されてから「Project Acoustics」を知り、調査・検証を始めました。
先輩から「Project Acoustics」がUnreal Engine 5で簡単に動作させられるようになったよ」と言われて、調べてみよう!となったわけです。

ということで、この記事では「Project Acoustics」について紹介します。

「Project Acoustics」とは?

「Project Acoustics」とはマイクロソフト社が提供しているリアリスティックな音響効果を簡単に実現する音響エンジンです。
シミュレートすることでリアルな音響表現を実現し、レイトレーシングとは異なり、回折も考慮できるためより正確なものとなります。
また、シミュレート結果は最終的に従来のオーディオDSPパラメータに変換し、オクルージョンやリバーブなどを実現しているので、微調整も可能です。

難しいことを書いていますが、リアリスティックな音響表現の実現には従来のシステムを使っているだけなので、今まで通りの調整もできるよってことです。

実際の音を聞いてみる

歩き回ってみる

まずは実際に音を聞いてみましょう!!
最初に映っている白い音源が音源になっています。

最初にいた部屋と8秒あたりにいる部屋でリバーブの効き方に違いがあるのがわかりますでしょうか。
これほど自然なリバーブを実現するには、サウンドデザイナーさんの調整が必要になり大変ですよね。

従来の方法では経験も必要になると考えると、Project Acoustics は本当に簡単です。

壁を隔てた場合

本来、音は回り込む性質があるので、
壁を隔てて聴いたときに下の画像の矢印の方向から聞こえてほしいですよね。

逆にプレイヤーが画像の位置にいるときは矢印の方向から聞こえてほしいですよね。

さて、こんな前置きをしたからには実際のProject Acousticsのデモを見てみましょう。
最初に映っている白色の球が音源になります。

Project Acousticsではそれが再現されていますよね。
よくよく聞くとリバーブの音も位置によって少し変わっています!
始めて触った時に「こんなに簡単にできるんだ!」と感動しました。

まとめ

この記事では「Project Acoustics」について紹介しました。
簡単なデモ動画でしたが、実際これを実現するにはどれほどの作業が必要かを
調査したので、ここから4回に分けてさらに深堀し、調査・検証した内容についてまとめていきます。

今後、CRI ADXの話が出てくるのでお楽しみに!!

Project Acoustics


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