2021年6月「サウンド勉強会コミュニティ」レポート - ミキシングについて考える会2 –
お疲れさまです。CRI営業の畠山(はたけやま)です。
少し間が空いてしまいましたが6月に開催されたサウンド勉強会コミュニティのレポートをお届けします。
今回は「ミキシングについて考える会2」という事で、ダンス系楽曲のミックス披露会を行いました。
お題となった音源はこちらの「September Trance」
HONMAXさんのミックス
ご本人コメント
・ダンスミュージックなので、低域の調整がキモ。ラージスピーカーで聞いた時のバランスの良さを基本に、AirPodsなどのヘッドフォンで聞いた時もしっかりキックとベースが聞けるようにミックスしました ・2000年初頭のトランスだと30-50Hzはあまり鳴っていない曲が多いですが、最近はその辺もキレイにミックスされているので、そこも意識しています ・歌物のように主役がハッキリしている曲はメリハリつけやすいですが、今回は何を主役にするかが個々のミックスに表れていて面白いと思います
COSIOさんのミックス
※今回も「AIを使ったミックス」と「COSIOミックス」の2パターン作成して頂きました。
AIを使ったミックス
COSIOミックス
ご本人コメント
AIを使ったミックス ・前回と同じく各トラックにNeutron3、マスターにNeutron3 Visual MixerとOzone9 ・シンセ系のカテゴリが2つ(Synth LeadとSynth Pad)しかなく使いにくかった →エレクトロ用のカテゴリのプリセットが今後作られると良いな ・Focusはそこそこ優秀なので目立たせたいトラックは前に出せるため、 使いにくいと言いつつもそこそこ聞けるバランスに仕上げることはできる →時間がないときに重宝しそう(作業時間実働約30分くらいで完成) COSIOミックス ・コンプやEQのかかり具合を最大限引き出すため、各トラックとも一旦-3dBくらいまで音圧を上げてから処理を行った。 →その後にフェーダーを-9~12dBに下げ、各トラックのバランスを取っていく ・シンセにはこれと言った定位の定石がない。かと言って全部中央に定位すると音が渋滞してしまう →シーケンス系はオートパン、パッド系はMS処理でサイドに広げることで、基本センター定位しつつも空間を十分に活用し音がぶつからないように工夫 ・ベースは前に出すためにアナログのマイクプリを通しリアンプ ・リズムについてはパラレルコンプを使い前に出した
佐藤豪さんのミックス
ご本人コメント
・他の方が多彩なプラグイン駆使してるので、対象的にシンプルに平凡なプラグインのみでミックス ・出音の方向性もまとまりあるバランスの良いものを目指しました
青木しんたろうさんのミックス
ご本人コメント
・他の人がやらなそうなミックスにする ・面白カッコ良ければOKにする ・普段使わないプラグインも面白いから使う ・とりあえずPro-Q3で削って、シンセはXfer OTTかけてみる ・キックはAcusticaのGainstationで気合入れる ・その他の気合が足りないトラックはDMG TrackCompやSausage Fattner ・上モノはAbbey Road SaturatorとかZynaptiq Intensityをかけてドーピング ・Rob Papen Delsane でディレイ、NIのRAUMで空気感、コーラスはTriceraChorus ・最終段でbx TownHouse Buss Compressorをかけてまとめる ・Leapwing DynOne でゴキゲンな音に仕上げる ・Pro-L2で音圧上げる
TECHNOuchiさんのミックス
ご本人コメント
・その音楽が聴かれる環境に応じたミックスを心掛けた ・ダンスミュージック/クラブミュージックはハコで使われることが多いので、それを想定したミックス (ゲーム音楽のなかで流れるダンスミュージック風の楽曲をミックスするのであれば、 聴かれる環境はコンシューマだと家庭のテレビ、アプリだとスマホのスピーカー、アーケードゲームだと筐体のスピーカー、となるので、またミックスが違ってくる)
以上、6月のサウンド勉強会コミュニティのレポートです。
前回と同様に、ダンス系の楽曲でも目指す方向性・使用するプラグインなどの違いが分かれ大変面白い勉強会となりました。
次回のサウンド勉強会コミュニティのレポートもお楽しみに!