2021年7月「サウンド勉強会コミュニティ」レポート - 東アジアの擦弦楽器について –
お疲れさまです。畠山です。
今回も7月に行われたサウンド勉強会コミュニティのレポートをお届けします。
テーマは「東アジアの擦弦(さつげん)楽器について」
その中でも二胡(にこ)・奚琴(ヘグム)・胡弓(こきゅう)を
シンガーソングライター・二胡奏者・電脳音楽家の柳静(りゅうせい)さんにご紹介頂きました。
柳静(りゅうせい) 二胡奏者・電脳奏者・シンガーソングライター専門学校卒業後、 CM作曲家の弟子をしながらMIDIデータ制作・映像音楽を手がける。 二胡歴は1995年からスタート古典・オリジナルを経て 現在は即興音楽をメインに活動ゲーム・アイドル楽曲の二胡パートの演奏経験あり 詳しいプロフィール https://www.liusei.net/biography/
それぞれの楽器のルーツについて
二胡はヨーロッパ→モンゴル→中国
ヘグムはヨーロッパ→モンゴル→韓国
胡弓は東南アジア→沖縄を経て本州
と言われているそうです。
二胡について
構造 ・弦の数は2本 ・上部に巻きつけている糸はギターのフレットエンドにあたる ・胴体に蛇の皮が貼ってある ・内弦と外弦の間に弓を挟んで弾く(馬上で演奏しても弓が落ちないようにしたなごりという説がある) ・材質や大小で名前が変わるため胡琴と総称することがある
参考音源:JIN 仁 MainTitle WeiWei Wuu ウェイウェイ・ウー 二胡
※演奏しているウェイウェイ・ウーさんは柳静さんの師匠だそうです
ヘグムについて
構造
・弦の数は2本
・上部に巻きつけている糸はギターのフレットエンドにあたる
・胴体は板になっている
・内弦と外弦の間に弓を挟んで弾く(二胡と同じく馬上で演奏しても弓が落ちないようにしたなごりという説がある)
・楽器の大きさによりソヘグム・チュンヘグムなど名前が変わる
胡弓について
構造 ・弦の数は3本 ・三味線と構造はほぼ同じ ・三味線より小さいサイズの胡弓と大きめの大胡弓がある ・弓と本体は離れている ・糸を弾き分ける時本体を回して演奏する
各楽器のチューニングと音域
楽器によって得意な調・不得意な調があるそうです
収録時のマイクの当て方
これらの楽器は音が小さく、ドラム等がいる編成だと簡単にかき消されてしまいます。
二胡&ヘグム
筒の後ろから音が出る為、
後ろにマイクを立てると良い。
胡弓
正面が良い。
楽器本体を回して演奏するので
それも考慮して配置するのがベスト
まとめ
・二胡とヘグムのルーツと構成は似ているが、胡弓はルーツと構造が違う
・どの楽器も意外と音域は狭く、弾きやすい調も違う
・似たような音だがそれぞれ特徴がある
・どの楽器も音は小さめ
・二胡とヘグムは後ろからマイクを当ててもらえると嬉しい
以上となります。
サウンド勉強会コミュニティとして初の楽器紹介シリーズでした。
柳静さん、色々と教えて頂きありがとうございます。
次回も楽器についての勉強会を行う予定です。
お楽しみに!