より伝わるサウンド発注リストの書き方(ゲームの楽曲編)


イメージが伝わらない!?

ゲームサウンドの制作を誰かに依頼したのに、出来上がってきたものがイメージと違う!
みたいな経験、ありませんか? 僕はよくありました。

言い換えると、リテイクが少なく済む方法ですね。これってディレクション能力そのものだと思うんです。

自分は発注管理をする側、制作する側どちらも経験をしたので「どんな情報があると伝わりやすいのか?」イメージが漠然としかなくても、そのゲームに合わせて「いい感じにしてもらえやすいのか?」というのをご紹介します。

楽曲の場合、効果音の場合、環境音、セリフの場合、それぞれコツがあるので回を追って順に書いてみます。あくまで僕自身が気をつけているポイントなのでこの限りではありません。一例として参考になれば幸いです。

楽曲の発注について

よくない例

・通常バトル曲
・勝利BGM
・敗北BGM

これでは情報が足りなさすぎますが、映像がセットで提供された場合はなんとかできるかもしれません。

一見よさそうだけど・・・?

・通常バトル曲 (90秒前後のループ曲)
ハイレゾでEDMでロックで縦ノリで音圧高めにお願いします。参考楽曲は… http://動画サイトのアドレス〜

専門用語は正しく理解していれば良いのですが、そうでない場合の乱用は危険。すれ違いの元となります。また参考楽曲の提示が1曲しかない場合は、その楽曲のどの要素を参考にしたら良いか分からないため、複数提示しましょう。そうしたら共通点を見つけてイメージを寄せていく事が可能です。

ちょっとやりすぎ?

・通常バトル曲 (90秒前後のループ曲)
【使われる状況について】 バトルに入ると画面切り替え演出から2秒かけて操作が可能になります。一度の戦闘は30〜120秒ほどで決着が付き、勝利または敗北BGMに遷移します。
【演出意図】 イントロは操作可能になるまでの時間を使ってユーザーの気持ちをバトルに切り替えさせ、メインパートは格好良すぎず、いつの間にか覚えて口ずさめるようなメロディだと嬉しいです。
【その他の資料】 コンセプトアート、キャラクター設定資料、作りかけでも良いのでゲーム画面など

目的と状況がわかればそれに合わせて構築していく事が可能です。ジャンルや方向性は指定されていませんが、任されている場合これで充分でしょう。そして視覚情報はかなり効果的で、様々なモチーフがヒントになります。

まとめ:Point

使われる状況について、特にシーンの滞在時間の説明は大事です。前後のシーン遷移の様子や遷移時間の情報があると、より効果的な演出を作ることができます。もし情報が足らず、5秒で次へ切り替わるようなシーンの楽曲でイントロが5秒以上ある楽曲が納品されたりすると…リテイク必至ですね。

そして楽曲の目的です。
ユーザーの気分を盛り上げるためなのか、状況の変化を伝え気持ちを切り替えさせるためなのか、登場キャラの内面を表現しているものなのか…など。
ジャンルとか音楽的表現の言葉がよく分からない場合は特に、目的が提示されれば作家側があれこれ提案する事が可能です。せっかくのチーム作業です。分からない部分は得意な人に任せましょう。
似た目的の楽曲が複数あるとして、キーワードやテンションの違いがあればその辺りを説明しましょう。楽器の選び方や編曲の際のヒントになります。


絵素材も効果的で、ベストはゲーム画面の動画です。
画面遷移の状況や時間も動画であればバッチリ伝わりますし、メジャーな作曲ソフトでは動画の読み込みも可能で、合わせて制作をする事が可能です。が、発注時点で動画がある事は滅多にないのでVコン(コンテを動画にしたもの)でも良いです。


おまけ:楽曲のジャンルについて

アーティスト寄りの作家を指名して楽曲の制作を依頼する場合、その作家の個性を信じての依頼だと思うので、ジャンルに関してはとやかく言わず、任せてしまうのが良いかと思います。

逆に器用系、手広くオールジャンル作れるサウンドデザイナーに依頼する場合は、ゲームの世界観や目的、イラストやモチーフなど多くの情報を共有し、どんなジャンルで作っていくと良いのかアイデアを出してもらうと良いかと思います。経験談ですが、依頼をする際に相手の裁量を残しておくと良いものが上がって来やすいです。

次回は効果音について。よろしくお願いしますー!


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kawaguchi

Twitter @CRI_kawaguchi Sound / Haptic / UX Designer @ CRI Middleware. / 音響周り全般と触覚、UXを担当。VRの立体音響も。 ゲーム制作現場の要望をミドルウェア開発チームに届けて、より素敵なコンテンツが生まれやすい未来を作るのが仕事です。

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