【コラム】CTO櫻井のゲームむかし語り~ゲームの動画演出に衝撃を受けた話~
CRI開発のさくらいです。今回は思い出話的なコラム記事です。
その昔、自分が学生だったころにゲーム内で流れる動画に衝撃を受けた記憶がいくつかあります。
ひとつめはFM-TOWNS で遊んだ「サイキックディテクティブシリーズ Vol.3 AYA」。開発はデータウエストさん。1990年頃でしょうか。ちなみにFM-TOWNS とはCD-ROMドライブを標準搭載して「マルチメディアパソコン」を名乗っていたハードで、音や動画にとても力を入れたソフトラインナップを展開していました。
このゲームは「DAPS」という独自の動画再生システムを搭載していて、美麗なアニメーションが観れるというものでした。ヒロインのアヤに異変が起きるシーンなどが動画で流れたのですが、当時は動画がゲーム内で再生されるということは少なかったので驚きましたし、サイコホラーな内容もあってインパクト絶大でした。短いゲームだったので何度も繰り返し遊びました。(音楽もとても素敵な作品でした。)
データウエスト社はその後DAPSを実写にも対応させて、いろいろなアドベンチャーゲームを楽しませてくれました。
ふたつめはセガサターンで遊んだ「DESIRE」。開発はシーズウェアさん。1997年発売。
このゲームは「ルシッドモーション」という独自の動画再生システムを使って、滑らかなアニメーションをゲーム内で見せてくれました。セガサターンもCD-ROM搭載のゲーム機だったので動画を再生するゲームは色々ありましたが、大きなテレビ画面で観るとちょっと粗さが気になるとういのも正直なところでした。(すぐ目が慣れて気にならなくなるのですが。)そんななか「DESIRE」は綺麗なアニメーションに感動した記憶があります。もちろんゲーム自体も大好きですし、こちらも音楽がとても(以下略)。
今回ピックアップした2つの特徴はどちらもゲームの開発会社が独自に開発した動画再生技術ということです。
これらのゲームが出た1990年代は綺麗な動画再生は簡単ではなかった時代です。
でもきっとゲーム開発者さんの中に「ゲームの演出として綺麗な絵を動かしたい」と熱意を持った人がいらっしゃったのだと思います。使う映像に特化した工夫とか、性能を出すためのプログラムのチューニングとか、開発はとても大変だったのではないかと推測します。そしてきっと大変だけどとても楽しかったんじゃなかろうかと(ここは完全に想像ですが)思うのです。
これらのゲームに衝撃を受けた当時は、自分が将来、音声と映像の技術の会社に入るなんて考えてもいませんでした。あとに思い返せば、これらのゲーム体験が今の自分につながっているのだなと感じます。
CRIに入ってから「3値アルファ」「色空間補正」「Zムービー」「アルファプラスムービー」など色々な動画技術の開発に関わりました。CRIは動画の圧縮からファイルフォーマット作り、再生まで全部やっていますので工夫次第で面白いことがいろいろ出来るのです。今年発表した「マルチキャラクター機能」は久しぶりに自分も手を動かしたので、苦労したけれど開発していて楽しかった。
ミドルウェア会社という立場として、単に出来合いの技術を提供するのではなく、相手の思いやこだわりを理解してそれを実現するための手段を提供出来たら嬉しいなと改めて思います。
こんなこと出来ないのかな?と思うことがあったら、ひとまずCRIに聞いてみようくらいの感じでお気軽にお声がけください。
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