ADX2 LEユーザーインタビュー Vol.1『魔砲少女のメイガスフィア』編

こんにちは、「CRI ADX2」サポーターの一條です。

CRI・ミドルウェアは、2013年から無償版サウンドミドルウェア「ADX2 LE」を個人・小規模チームのゲーム開発者さま向けに提供しています。

ADX2LEの魅力をインディーゲームクリエイター、同人ゲームクリエイターにもっと知ってほしい!という気持ちから、ユーザーインタビューシリーズを不定期で実施することにしました。

第一回は同人ゲームサークルOHBA堂さんの『魔砲少女のメイガスフィア』です!

――自己紹介と本作のご紹介をお願いします。

同人ゲームサークルOHBA堂のOHBAと申します。本業の傍ら2001年頃から個人でゲームを開発しています。
本作「魔砲少女のメイガスフィア」は「魔法少女×ミリタリー×破壊」をテーマにしたアニメ風”無双型フルブレイクTPSゲーム”です。
少女が「魔砲」という戦車の砲塔を模した武器を使い、広いフィールドを縦横無尽に動きながら戦車やヘリをなぎ倒していく爽快感がウリです。ゲームエンジンにはUnityを使用しています。
まだまだ開発中ではありますが、コンソールゲーム機でのリリースも検討しています。

――本作にADX2 LEを導入した主な理由は何でしょうか。

Unityにはサウンドを再生する機能自体はあるものの非常にシンプルなもので、基本的なフェード効果なども全てスクリプトを作成して自力対応する必要がありました。また、多数の音声ファイル管理も自分で行う必要があります。うちの場合Unityエンジニアが自分一人だけですので、そのような手間を減らして極力ゲーム本体に注力する時間を増やしたいと考えたのがきっかけです。

――UnityにADX2 LEを導入する際、使い方が分からないところや、困ったことはありましたか?

恥ずかしながら導入当初はAISACの使い方の定石がマニュアルを一見してもわからず、正しく使えるようになるまでに少し時間がかかりましたね。また、本作では初期化パラメータがデフォルトのままでは同時に再生できる音の数が足りず、すぐフルになってしまったりと、使い始めは調整するのに苦労しました。

――オーサリングツールAtom Craftの使い勝手はいかがでしたか。

AISAC以外は直感的にすぐ使えましたし、リストエディターを使えば大量のファイルも一括でパラメータを変更できたりと使い勝手は良いと感じます。本作ではボイスデータのファイル数は膨大になりますが、大量ファイルのキュー登録も音声ファイルのドラッグ&ドロップだけで行うことが出来るなど便利です。

――ADX2 LEを導入したあと、思いがけず便利になった点はありますか。逆に思わず手間が増えてしまった点はありましたか。

手間を減らすことが導入したきっかけですが、細かいフェードやダッキング、サンプル単位ループなどが簡単に指定できるため、思いがけず少ない手間で品質を上げられるようになりました。
手間が増えてしまった点としては、ADX2は音声ファイルをAtomCraftでキューとして事前登録する必要があります。そのためワンクッション追加工程が必要になります。

――ADX2 LEの今後に期待する機能はありますか。または、サウンドに関してこんなプラグインがあったらいい、という展望はありますか。

自作した機能の例なのですが、AtomSourceを保持するオブジェクトをプーリングして管理し、ゲームロジック側からは何も考えず打ちっぱなしで音を鳴らす機能。そしてそれをTimelineから呼び出す機能があると便利かなと思いました。
また、各プラットフォームにおける初期化パラメータの一般的な例を記したドキュメントがあるといいですね。

――本作はマップが広く、大量のオブジェクトが出るかと思います。HCAやHCA-MXによる再生負荷軽減は恩恵がありましたか?

家庭用ゲーム機のようなPCと比較して1CPUあたりの性能がどうしても限られてしまう環境において、HCA-MXの恩恵が顕著だと思いました。とにかくメインスレッドの負荷を減らさないとフレームレートが確保出来ないので、多数の効果音を同時再生してもメインスレッドにほとんど影響を与えないという点がとても良いですね。

――本作はUnity向けアドベンチャーパート作成プラグイン「宴」を使用していたと伺いました。これはADX2 LEが対応していますが、機能の統合はいかがだったでしょうか?

特に問題なく利用できます。シナリオファイルのExcelシートにADX2のキュー名を記述するだけで再生できるため、セリフデータと音声データの対応指定が簡単に実現でき便利です。

ADX2にも対応したUnity用ビジュアルノベルツール「宴」公式サイト

――本作はPS4™版の制作が発表されています。無償版であるADX2 LEから、ADX2(PS4™版)への移行はいかがでしたか?難しい点など、ありましたか。

ADX2マニュアルの「ADX2 LEから有償版への移行」に沿って数項目の手順を踏むだけで、簡単に移行することができました。PS4™でも本当に何も意識せずにすんなり動作したのは感動しましたね。

――最後に、本作に関する告知や宣伝がありましたらお願いします。

魔砲少女のメイガスフィアはまだまだ開発中でありますが、リリースに向けて準備を進めているところです。昨年の「東京ゲームショウ2019」の展示でも好評をいただき、フィードバックを取り入れながら作り込みを進めています。配信にはもうしばらく時間をいただきますが、いい形でみなさまのお手元に届けられるよう、がんばっています。ご期待ください。

――ありがとうございました。

『魔砲少女のメイガスフィア』公式サイト

(c)OHBA堂

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