2021年8月「サウンド勉強会コミュニティ」レポート - サンバカーニバルの使用楽器について –
お疲れさまです。CRI営業の畠山です。
8月に行われたサウンド勉強会コミュニティのレポートをお届けします。
今回のテーマは
「 サンバカーニバルの使用楽器について 」
ご登壇頂いたのは作曲家/演奏家のTETAREさん。
リオのカーニバルでの使用楽器についてご紹介頂きました。
TETARE 作曲家/演奏家。 部屋から溢れるほどに集めた世界各地の楽器を自身で操り 「手しごと」による独特のオーガニックなサウンドを生み出している。 学生時代にブラジル音楽に目覚める。 その後ブラジルに度々渡り、打楽器メンバーとしてカーニバルで演奏。 継続して関わっている。 個人での制作ではCM、映像やゲーム等にもサウンドを提供している。 https://teta-repi.com/
そもそも「リオのカーニバル」とは
一般的に取り上げられる事が多い「リオのカーニバル」は専用スタジアムで行われるパレードの事で、カーニバルそのものはキリスト教の謝肉祭。それに伴う催しはリオを含む世界各地で様々な形で行われている。
リオのカーニバルの特徴
- テーマに沿った曲が演奏される → サンバ・エンヘードという形式
- パレードごとにテーマが存在
- 衣装、山車、踊りは全てテーマに沿って表現される(上位リーグは1チーム3,000~4,000人!)
- コンテストである
- 上位、下位リーグがあり、入替えもある。上位リーグは「超真剣勝負」
サンバ・エンヘードの基本楽器構成
歌唱
- メインボーカル(PA経由)
- その他演奏隊(マイクは無くても)も基本的に全員歌います
弦楽器隊
- ギター
- コードを弾きながら、間を独特なメロディアスなベースラインで繋ぐ
- 低音弦を足した7弦ギターを使う事が多い
- 金属製のサムピック(デデイラという)を使い、バキバキした音を鳴らす
- 参考:https://www.youtube.com/watch?v=r-Pbi-g5IpQ
- カバコ/カバキーニョ
- 金属弦のウクレレ
- コード弾きが中心
- 参考:https://www.youtube.com/watch?v=BcKmDRwxGv8
弦楽器隊だけだと下記のようなアンサンブルに
打楽器隊(バテリア)
- スルド
- 3パートある大太鼓
- 参考:https://www.youtube.com/watch?v=NskP2SwBIos
- カイシャ
- スネアドラムだが、響き線が打面側にあるのが特徴
- 参考:https://www.youtube.com/watch?v=NOq3oPpbncM
- ヘピニキ
- 片手はスティック、片手は手で叩く
- 参考:https://www.youtube.com/watch?v=0que9SuP15I
- タンボリン
- 楽器を回転させながら、一本のバチで16分を叩く(難しい!)奏法が特徴
- 上モノの役割で、サンバ・エンヘードの展開の中でフレーズが決まっている
- 参考:https://www.youtube.com/watch?v=xoAuyEuBxMI
- クイーカ
- 太鼓の皮に竹ひごが垂直に取り付けられており、それを水で濡らした布巾でこすることで皮が響いて音が鳴る
- 動物がフゴフゴ言ってるような音!?
- 音を出すのが大変
- 参考:https://www.youtube.com/watch?v=JYKobf3clsI
- ショカーリョ
- 振って16分音符を刻む。原理はシンプルだが楽器が重く、振り続けるのは運動量を要する
- 参考:http://www.youtube.com/watch?v=cZiaLQsct_0
- アゴゴ
- よくある2つのベルがついているアゴゴと違い、今の主流はベルが4つ
- 金属のベルが4つ付いているいているのでこれも重い
- チューニングを曲に合わせるといったことは無い
- 参考:https://www.youtube.com/watch?v=7fnta-aCzTM
※上記は基本的に全て使用されるが、その他の楽器を使うチームも有り
使われそうで使われない楽器
- ボンゴ、カウベル、ティンバレス
- コンガ
- アピート(笛)
- 合図する為の”ツール”として使われ、楽音としては使われない
- サッカーの審判用の大きな音が出る笛を使う
- よくあるサンバホイッスルは使われない
まとめ
サンバ・エンヘードの演奏は多種の打楽器・弦楽器を組み合わせ、
フレーズ、楽器、チューニング、人数、隊列、楽曲構成を計算し、
パレードのテーマを表現する高度なオーケストレーション。
以上が8月の勉強会レポートとなります。
リオのカーニバルがコンテストだったり、ホイッスルは合図の為のツールだったり、
知らない事が多くとても勉強になりました。
今回はリオのカーニバルでの使用楽器となりますが、まだまだ多くのサンバがあるとのことで
今後もTETAREさんには他の形式についてもご紹介頂ける予定です。
次回のサウンド勉強会コミュニティもお楽しみに !