次回 ADX2 SDK の注目ポイント
CRIさくらいです。
今回は6月公開予定の ADX2 SDK Ver.2.20 について、注目ポイントを簡単にご紹介します。
なお今回の話は、UnityやUE4向けではないネイティブADX2 SDKのアップデートについてです。
ゲームエンジンをご利用の方は今しばらくお待ちください。
細かなものも含め今回は、ポイントを7つ紹介します。
■ポイント1:建物の内外の音の聞こえ方設定を助ける 3Dトランシーバー機能
建物内の音を、扉の部分を経由して外に聞こえるような設定にできるのが「3Dトランシーバー機能」です。
3Dフィールド型のゲームではうまく使うと便利になるでしょう。
この機能についてはまた別途紹介したいと思いますので、今回は触り程度にて。
※この機能は当面は非ゲームエンジン向けの提供となります。
■ポイント2:DSPバスエフェクト「32バンドEQ」のUI刷新
「32バンドEQ」はざっくり言うと周波数帯別に音の聞こえ方を調整するエフェクトです。
アーケードゲームのように特殊筐体を使うゲームでは音響補正にも使ったりします。
従来のUIは設定値だけが表示されたシンプルな図でしたが、今回は視覚的にわかりやすいよう刷新しました。
従来は出来なかったパラメータのAB比較やプレビュー中の表示更新にも対応しました。
新「32バンドEQ」をUIを使って、ラジオ風の音になるようエフェクトをかけた例
■ポイント3:DSPバスエフェクト「マトリクス」のUI刷新
「マトリクス」はチャンネルごとにスピーカー出力のバランスを再割り当てするエフェクトです。
ステレオ音楽をリア含めた4chスピーカーに割り振って広がりを持たせたりして利用します。
従来のUIは単に数字が並んでいるだけでしたが、新UIではチャンネルの入出力関係がわかりやすくなるよう視覚化してあります。
新「マトリクス」UIを使って、ステレオを4chに拡張した例(※掲載動画はステレオなので音の聞こえ方は変わりません)
■ポイント4:距離減衰に縦方向の角度AISACを追加
従来のADX2では、音源との距離や、水平方向の角度に対して聞こえ方を設定する機能がありました。
ながらくご要望をいただいていた、縦方向の角度に対する設定を今回追加しました。
上空にいる敵の音は聞こえ方を変えて、音だけでプレイヤーが敵の方向を把握するヒントに出来たりします。
■ポイント5:カテゴリの発音制限に距離の判定オプションを追加
カテゴリのキューリミットに「近距離優先」というオプションが追加になりました。
例えば足音がたくさん鳴っている時に発音制限を超えたら、遠くの音から止めることができるようになります。
従来ツールでこの機能を実現するには、距離減衰でサウンドプライオリティを下げるような設定が必要でしたので、ずいぶん簡単になります。
■ポイント6:タイムラインの時刻精度改善
ADX2システム全体として、波形の再生タイミングの精度を大幅に改善しました。
インタラクティブミュージックで、つなぎ目がたまにもたつくような症状が今回解消されます。
これもながらくご意見いただいていたもので、大変お待たせしました。
■ポイント7:その他ちょっと便利な改善
・波形のパンタイプ(パン3D or 3Dポジショニング)設定に、キュー単位でデフォルト指定ができるようになりました。
・バスマップの0番がマスターアウト固定だった制約を無くしました。
・AtomCraftの「ローカルファイルの同期」の処理速度を改善しました。
列挙すると細かい話になってしまうのですが、また機会があればそれぞれフォーカスしてどう便利になるのかご紹介できればと思います。
SDKリリースまでもう少しお待ちください。
または、急いで試してみたい!というような場合はサポートにお問いあわせください。